「糖尿病合併症予防策」
糖尿病看護認定看護師 赤嶺 勝
糖尿病合併症は全身に及ぶと言われていますが、その中でも「3大合併症」と言われる「糖尿病性腎症」「糖尿病性網膜症」「糖尿病性神経障害」の3つを指します。
「糖尿病性腎症」は糖尿病により腎臓の機能が侵され、最悪の場合「人工透析」が必要となります。
糖尿病性腎症は第1期~第5期に分類され、第2期までの段階であれば回復する見込みがあると言われています。
「糖尿病性網膜症」は、網膜が侵され、最悪の場合「失明」の危険性があります。視力の低下を感じるようになってきた頃にはかなり進行している可能性があり、治療は困難を来す上、失明する危険性が十分考えられる段階です。
「糖尿病性神経障害」は全身に及びますが、特に足先のしびれや痛みを感じることが多いと言われています。触っている感覚や温度感覚(冷たい・熱いが分からない)が鈍くなりがちで、ひどい場合、火傷や傷が出来ても気付かないケースがよくあります。
しかも火傷や傷の痛みを感じない(神経障害のしびれや痛みにより傷そのものの痛みはわかりにくくなる)ため放置することも多く、ひどい場合には治療が出来ず切断に至ることも少なくありません。
血糖コントロールは合併症を予防するために非常に重要ですが、各々の合併症を防ぐために、腎症=塩分制限+腎症検査、網膜症=定期的な眼科受診(眼底写真検査)、神経障害=フットケアも重要な予防策となりますので、詳しくは糖尿病療養指導士へご確認ください。
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