あれっ?いつもと様子が違う 「せん妄」って何?
沖縄協同病院リエゾンセンター 比嘉好美
入院中にいつもと様子が違うと感じる、せん妄症状が出ることがあります。
せん妄とは痛み、脱水、感染、貧血、薬の影響など体の調子が悪くなることで一時的に脳の機能が乱れることで引き起こす意識障害のひとつです。
症状は、ぼーっとして集中しづらい、夢か現実か分からない、時間や場所が分からない、おかしなものが見える、などとても不安と感じることが多く、ご家族から見ると「急に性格が変わったみたい、怒りっぽくなった、ぼんやりしている」「興奮して夜も眠らない、記憶が曖昧で話のつじつまが合わない」と感じます。
せん妄は高齢者に多くみられますが、若くても発症することもあります。
せん妄の特徴のひとつに、1日の中でも調子のいい時間と悪い時間があり、さっきまでは普通に会話したのに、全く覚えていないなど「急に認知症になった。認知症が進んだ」と心配になりますが、脳機能の乱れなので負担になっている体の問題を取り除くことで症状は改善します。せん妄のときには意識が混乱しているため、ご家族がそばにいるだけでも安心します。
現在はコロナ禍により面会制限中のためご迷惑をおかけしていますが、ご家族の写真などをベットサイドへ置くだけでも大きな安心につながります。
また時計やカレンダー、ラジオ、補聴器、メガネなど使っているものをお持ちいただくことで普段に近い環境になりますので、入院の際にはご準備ください。
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