PICS(集中治療後症候群)とは

2020/11

沖縄協同病院ICU 集中ケア認定看護師 與那覇 孝幸

糖尿病治療の基本

沖縄協同病院では昨年、719名の方がICUに入室しました。その内3割の方が回復期病院への転院や、介護施設へ入所となっています。
また、5割の方が自宅へ退院されています。しかし、ICUで治療を行い重篤な状態から脱して退院しても、入院前の生活に戻れない方がいます。
近年、PICS ( post intensivecare syndrome) と呼ばれる集中治療後症候群がクローズアップされるようになりました。
PICSは、ICU在室あるいはICU退室後、さらには退院後に生じる身体障害・認知機能・精神の障害で、ICU患者の長期予後のみならず患者家族の精神にも影響を及ぼします。
身体障害では、運動機能低障害として、肺機能障害や神経筋障害、全般的身体機能障害などがあります。
認知機能障害はICU退室患者の30~80%の方に発症するとされています。認知機能が障害された高齢者は、死亡率増加のリスク因子だけではなく、医療費の増加にも関連し、さらに家族の大きな負担となるため大きな社会問題となります。
精神機能障害では、うつ病、不安、心的外傷後ストレス症候群(PTSD)が構成する要素です。重症患者の生存者のうち、30%はうつ状態に苛まれ、70%は不安に苦しみ、10~50%はPTSDを発症するといわれています。
ICUから退室し、日常生活になかなか戻れない方は、もしかするとPICSの影響かもしれません。
PICSの影響は、長期に関わるとされています。ご家族を中心とした、フォローが大切となります。

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